海外旅行の予約手配といえば方法は主に2つ。
大手の旅行会社「JTB」や「HIS」から中小の旅行会社まで様々な会社が販売している飛行機、ホテルと現地での送迎(ガイド)が全部込みになっている「パッケージツアー」。
そして航空会社のホームページで航空券を購入し、「Expedia」「Agoda」「Booking.com」等でホテルを予約して個人で旅程を組み立てる 「個人手配旅行」。
(ホテルの予約サイトで飛行機の予約が出来たり、飛行機の予約サイトでホテルも予約出来たりもできます)
トータルで安くなりそうな「個人手配旅行」、なんとなく安心感がある「パッケージツアー」、結局どちらを選べば良いのか悩まれている方も多いかと思います。
そこで今回は「パッケージツアー」「個人旅行」の両方を使いセブ島に20年以上旅行し続けてきた筆者が2023年末時点の最新情報として、それぞれのメリットとデメリットを説明していきたいと思います。
最近は「ダイナミックパッケージ」と呼ばれる、パッケージツアーと個人手配旅行の中間のような存在で、予約のフロー中で希望便と希望のホテルをセレクトしてパッケージツアーを組み立てていくものもありますが、今回は省略します。
パッケージと個人手配の料金の特徴について
料金については全体的には「個人手配」の方が安い印象があります。
セブでいえばLCCのセールで日本-セブ間のフライトが片道数百円〜数千円程度で販売されることがあります。
(燃油サーチャージや空港税など祖入れると結局1〜2万円近くになってしまったりしますが。。)
こういった格安のセールの航空券を上手く活用することでかなり旅費を抑えることが出来ますが、注意点としてLCC、セールのチケットは取り消しや変更に関する規定は厳しいです。
また、ホテルに関しても「Expedia」や「Agoda」等、ホテルのオンライン予約サイトで予約後即キャンセルチャージがかかるような条件が厳しいプランでは相場よりも結構安く販売されていることもあります。
ですが、「パッケージツアー」もなかなか侮れません。
旅行会社は取引先の航空会社、付き合いがあるホテル間での契約の関係等で送客人数の実績が必要な場合があり、期末に総客数確保のため利益度がえしでありえないような価格でパッケージツアーを販売していることもあります。
また特定の旅行会社と特に関係が強いホテルでは、「個人手配」よりも有利な値段で仕入れられたり「食事」、「スパ、マッサージ」といった特別な特典が付いたりすることもあります。
全体的な印象では「個人手配旅行」の方が安い気がしますが、「パッケージ」の方も時期、内容によってはかなりお得なプランが出ていたりもします。
取り消し料金についての違いについて
旅行を予約した後に、何かがあって旅行を取消せざるを得ない場合、パッケージツアーと個人手配ではルールが全く異なります。
パッケージツアーの取り消し料金
パッケージツアーは取消料金が約款で定められていますので、通常の時期であれば出発の30日前まで取消料金はかかりません。また取消料金も旅行代金に対して(10%)20%、50%、100%と出発までに日に応じて決まっているので、自分の予定に変更が出る可能性とキャンセルチャージの金額を考慮して、ある程度は損失のリスクを想定する事ができます。
一つ注意が必要なのは数年前から登場した「変動運賃を利用するツアー」では「PEX約款」といってツアーごとに取消料金が発生する日と金額が異なる約款を利用しているものがあります。
この場合は、出発日が先であっても予約後即取り消し料金が発生する場合があります。
個人手配旅行の取り消し料金
手配旅行は航空券、ホテルでそれぞれプランごとに取消料金が発生する日、金額が異なります。
ホテルによっては宿泊する日が何ヶ月先であろうとも予約した瞬間から取消料金が100%というものもありますし、宿泊の前日まで取消料金がかからないというものもあります。
一般的には取消料金の規定が厳しいものはプランの料金が安く、緩いものはプランの料金が高い傾向があります。
ただ、本当にプランによりそれぞれ異なっているので、根気よく探せば安くて条件の良いプランを見つけられることもあります。
飛行機は基本的に発券をした時点で取消料金が発生します。LCCは航空券が安い分、予約後即発券、発券後は取消料金100%と条件が厳しい事が多いです。
レガシーキャリアと呼ばれる、LCC以外の航空会社では、発券ごに取消した場合でも一定の金額の払い戻しがある事が多いです。
運賃種別により条件は異なりますので、払い戻しがないケースもあります。予約の際は同じエコノミークラス内でも料金や条件が異なるものがあるので、事前に必ず条件は確認するようにしましょう。
手配旅行で注意が必要なのは、例えば購入した航空券が出発前に、悪天候や機材調整でフライトキャンセルとなった場合、航空券は全額払い戻しになったのに、ホテルには取消料金がかかるということがあります。
日本のホテルでは台風等で飛行機が飛ばない場合は取消量を免除してくれるケースが多い様ですので、
「前回、台風で飛行機が欠航した時に日本のホテルではキャンセルチャージを免除してくれたから、フィリピンでも大丈夫だろう」
と考えていると大きな損失を被る可能性があります。
飛行機が飛ばなくて出発できないのに、なんでホテルの取消料金がかかるのか理不尽に感じられるかもしれませんが、諦めるしかありません。
パッケージツアーの場合は台風で飛行機が飛ばずにツアーの催行が出来ない場合には旅行代金の全額払い戻しを受ける事ができます。
パッケージと個人手配の予約のしやすさ・アレンジの自由度について
手配の簡単さに関しては圧倒的に「パッケージツアー」の方に軍配が上がります。
飛行機とホテルがまとめて予約が出来、さらに追加でオプショナルツアーを申し込むする際も日本の旅行代理店が窓口となって、まとめてお支払いができます。
さらに専門店であれば、事前に希望や不安を相談することで、旅行内容や参加者の構成などを考慮してオススメのホテル、日程をアドバイスしてくれるかもしれません。
また、予約後に参加人数の増減があった場合、出発日の変更があった場合も”取消料発生前”であれば比較的に柔軟に対応してくれる事が多いです。
ただ、旅程に対しての自由度はあまりなく、基本は決められた内容の通りとなります。
お見積もり対応でアレンジをしてくれる会社もありますが、アレンジをするとその分手数料が高くなる傾向があります。
その点、「個人手配旅行」は自分で飛行機、ホテルのプランを探し、予約手配をしなければならないので手配は少々面倒ですが、自由度はかなり高いです。
例えば往路と復路で違う航空会社を選んだり、ホテルを1泊づつ転泊して宿泊地を移動したりと自由に旅程を組み立てられるのが魅力です。
ただし、人数や日程に変更があった場合は一度予約を全てキャンセルして、再度取り直しといった事があるので、融通は効き難いです。
個人手配旅行でセブ島のホテルを手配する際の注意
セブ島のホテルをホテルサイトで予約する際には特に立地にご注意ください。
セブ島はかなり大きい島なので、予約サイトのホテルの立地を「セブ島」で絞ったとしても、そのホテルは空港があるマクタン島から車で数時間も離れた立地の可能性があります。(モアルボアル、マラパスクア、パンダヤン、スミロン等)
マラパスクアやパンダヤンのホテルに至っては空港から陸路数時間+ボートの手配が必要となりますので、もし初めてのセブ島旅行で、旅慣れていない方にとってはほぼ到達は不可能に近いです。
モアルボアルはダイビングスポットなので、海は非常に綺麗で写真写りがとても良いのですが、ダイブリゾートのため一般の旅行者向けとは少し言い難いエリアです。
また、セブ島というと一般の方はどのホテルもビーチ沿いのリゾートなのかと想像されるかもしれませんが、いわゆるビーチリゾートは「マクタン島」にある海沿いのホテルです。セブ市内もホテルはたくさんありますが、市内ホテルにはプールはあるかもしれませんが、ビーチはありません。
ホテルサイトでセブ島のホテルの予約をする際は、写真の綺麗さだけではなく、空港からの距離、立地に注意をしてください。
パッケージと個人手配のトラブル時の対応についての違い
台風などの自然災害発生時
パッケージツアーの場合
パッケージツアーでは出発前に台風が近づいている場合、フライトの状況を確認し、空港へ向かうべきか、飛行機が飛ばないのでツアーの催行がキャンセルになった等情報を教えてくれます。
また、現地で台風が来た場合も同様、フライトキャンセルになった場合などは代替便を探してくれたり、延泊が必要になった場合はホテルの手配の手伝いをしてくれたりとアシストをしてくれます。
個人旅行の場合
手配旅行では搭乗予定の便が運行するか、スケジュールが変更されていないか等は全て自分で確認する必要があります。
帰国便が台風でフライトキャンセルになった場合、原則自分で次の便への振り替え等を行う必要がありますのである程度の語学力と、どんな場合にどんな便に振替してくれるのか、どんなリクエストであれば通る可能性が高いのか等、ある程度旅の経験が必要です。
飛行機の運行中止やスケジュール変更など
「パッケージツアー」の場合、旅行会社がお客さんの行程の管理をする義務があるので、出発前でも旅行中でも搭乗予定の飛行機に変更やキャンセルがあれば、連絡をしてくれて対応をします。
旅行中に帰国便に何かがあった場合でも代替便への変更や、代替便の航空券の購入の手伝いなどもしてくれる事が多いです。
「個人手配旅行」の場合、基本的にトラブルに関しては全て自分で対応しなければなりません。
登場予定のフライトについては、搭乗の前々日、前日までにはスケジュールチェンジやフライトキャンセルが出ていないかをチェックする必要があります。
(フィリピンはオフシーズンには比較的フライトキャンセルが出やすい印象があります。※あくまで個人的な所見です。)
以前カウンターで実際に見かけたケースとして、自分達が予約した飛行機がスケジュール変更となっていて、チェックインをしようとしたところ、すでに飛んで行ってしまっていたという事がありました。
航空券をWEBのチケット屋さんで購入したそうですが、購入した便のスケジュール変更については何の連絡もなく、変更になったことが分からなかったという事です。
こんな時には、航空会社は
「どうにもならないので、新しいチケットを買い直してください」
と言ってくるかもしれません。
ですが、新しいチケットを買い直すとなると相当な出費となります。
そうならないためには、なぜこうなったのかの事情を説明し、自身の出費を最小限に抑えるために、航空会社側からより良い条件提示を引き出す交渉をする必要があります。
ただ怒鳴り散らすのではなく、しっかりと事情を説明し、どのくらいの譲歩が引き出せるかを想像しながら根気強く交渉を進める必要がありますので、ある程度の英語のスキルと旅行経験が必要になります。
パッケージツアーと個人手配旅行のメリットとデメリットについてまとめ
パッケージツアーのメリットまとめ
- 手配が簡単・柔軟
- 詳しい担当者に相談ができる
- 現地スタッフが滞在中のフォローをしてくれる
- トラブルに強く、語学や旅行経験がなくても安心
- キャンセル時の取り消し料金が明確
パッケージツアーのデメリットまとめ
- 旅行会社(担当者)により当たり外れがある
- 旅程の自由度が低い
- 旅行会社の倒産リスク
個人手配旅行のメリットまとめ
- 旅費が比較的安い
- 旅程を組み立てる際の自由度が高い
個人手配旅行のデメリットまとめ
- キャンセルポリシーに注意が必要
- 旅行の内容変更の融通が効かない
- トラブルは全て自己で解決の必要あり(語学力・旅行経験がある程度必要)
おしまいに
上記はあくまで個人的な経験と知識にも基づいて書かせて頂きました。実際とは異なる点があるかもしれませんがその際はご了承ください。
「パッケージツアー」「個人手配旅行」それぞれにメリット、デメリットが存在します。
筆者は基本的に一人で旅行しますので、安いチケットを見つけたらとりあえず一番安い日程で予約をして、後はその行程に合わせてホテルの手配や現地で何をするかの計画を立てます。
ただ、家族や知人をエスコートする際は信頼できる旅行会社にオーダーし、出発前まで何度も確認を繰り返して可能な限りミスが起こらない様に準備をし、同行者が楽しんでもらえるよう、水の一滴も漏らさないように注意を払って旅行を計画をします。
「パッケージツアー」も「個人手配旅行」もそれぞれ一長一短ありますので、メリット、デメリットを理解した上で旅の目的に合わせて上手に利用してセブ島旅行を楽しんでください!